著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

夫を介護する80代女性「病院だと誰も夫に話しかけない…家に帰してあげたい…」

公開日: 更新日:

「奥さま、大変じゃないですか?」(私)

「大変ですね」(H子さん)

 自宅で夫を看取りたいという切なる思いから、孤軍奮闘している80代の女性、H子さん。

 ご主人は脳梗塞の後遺症で右半身に麻痺があり、さらに2020年にはコロナ感染で、誤嚥肺炎を発症。それ以降も誤嚥性肺炎を繰り返していました。H子さんは痰の吸引やおむつ交換のトレーニングを積極的に受け、在宅医療を開始したのですが、ひとりでの介護は体力的にも精神的にも厳しい。

「痩せました?」(私)

「いやいや、痩せていませんよ(笑)」(H子さん)

「外出してキレイなもの見に行きたいですよね。それも対応できるようにしますので……。たまには息抜きも必要です」(私)

「主人も車椅子には座れるんですね。うちに帰ってきてこういうふうにできていることがうれしいです」(H子さん)

 当院の言語聴覚士がご主人の嚥下機能を評価したところ、まずは体力が落ちていることもあり、麻痺する右片のリハビリにしばらくは専念することに。ただ、入院するほどではないにしろ時々誤嚥性肺炎による発熱があるため、そのたびに抗生剤投与となりました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動