認知症の親が卑猥な言動を繰り返す…どう対応すればいいのか
認知症を発症すると、性的な言動が繰り返し見られるケースがあります。これは「性的逸脱行為」と呼ばれ、介護者に対して卑猥な質問を繰り返し行ったり性器を露出したり、時には性行為を迫る特徴です。認知症患者さんの30%以上に見られ、理性を保つ前頭葉が障害される前頭側頭型認知症に多く現れます。また、認知症を発症すると社会的認知も障害されるのも一因とされています。自分の言動や行動が周囲の人や自分自身にどのような影響をもたらすのか想像できなくなって起こると考えられているのです。
とりわけ問題なのが、訪問ヘルパーや看護師に対する男性利用者の性的逸脱行為です。ヘルパーや看護師は女性の割合が高く、訪問介護は基本的に1対1で密室で行われるので人目がなく性的行動をしやすい。実際、性的逸脱行為によって介護サービスを打ち切られる事例が少なくありません。
認知症の親に、性的逸脱行為が見られると、家族は戸惑いショックを受けるでしょう。ですが、私たちは「高齢になると性的関心は消滅する」と思い込んでいるので、親の性的行動に余計に驚くのです。まずは100歳になっても性的関心は失われないことを認識しておく必要があります。