夫を介護する80代女性「病院だと誰も夫に話しかけない…家に帰してあげたい…」
在宅医療では、患者さんの望む療養生活を基本に、問題が発生した時はそれに応じて治療を柔軟に組み替えていくことが求められます。
半年ほど経ったころ、誤嚥の負担によるものか、消化器官から出血。黒っぽい便が目立つようになりました。
そこで貧血を和らげるため輸血を実施。容体は落ち着いたのですが、点滴を投与する腕の血管がもろくなり、血管が詰まる問題が発生しました。そのため首から点滴を入れる方法や胸の皮膚の下へ静脈カテーテルの一種(CVポート)を埋め込むことを検討しましたが、CVポート挿入には入院が必要となります。そうすると、もう自宅には戻ってこられないかもしれない。H子さんとの話し合いの結果、挿入は見合わせました。
そんなある時、今度はH子さんが、ある病気で手術が必要となりました。H子さんの入院中は、ご主人はレスパイト入院(在宅医療中の人が一時的に入院すること)となったのです。
H子さんの手術は無事終了し、退院。一方、レスパイト入院中のご主人は容体が悪化していました。