多発性骨髄腫の80代男性「打つ手がないなら点滴はやらないで自然でいたい」
「点滴とかはどうしたいとかありますか?」(私)
「点滴はやらないで自然でいいって本人が」(息子)
「まずは飲み薬を使ってもらって、飲むのが難しいようなら貼り薬も検討しましょう。トイレって行けてますか?」(私)
「最近、行けてないです」(息子)
「排泄の介助とか含めて看護師さんに来てもらった方がいいと思います」(私)
「それでお願いします。私がやると嫌がるんです。看護師さんなら受け入れてくれるかも」(息子)
「今日中に入ってもらいましょう」(私)
常に変わる患者さんの状態に合わせて柔軟に対処します。
「本人はできる限り病院には行きたくないって」(息子)
「私たちが来ましたから大丈夫ですよ」(私)
在宅医療を開始して4日目に、ご家族に見守られながら旅立たれました。最期まで自然に自宅で旅立ちたいという患者さんやご家族の思いに応えることが、在宅医療の一番大きな役割だと改めて考えさせられたのでした。