おひとりさまはご用心…年末年始の孤独が「死の四重奏」リスクを招く
年末年始の休みは12月29日~1月3日の6日間。「1人暮らし」「男性」で会社の肩書がなくなる「65歳以上」の人は寂しさが身にしみる時期だ。
「孤独」は精神的なストレスと密接なつながりがあり、健康を損なう大きな要因になっている。実際、孤独感が強まると血中のコルチゾールが高まることが知られている。コルチゾールは血流や代謝を活性化させるホルモンで、その血中濃度が高まると血圧と血糖値が上昇し、脳が覚醒する。動物が敵に遭遇したときに逃げるか戦うかを決め、体の瞬発力を高める準備を促す役割を担っている。
しかし、野生動物と対峙していた時代に必要なこのホルモンは現代人では、孤独や不安など精神的ストレスを感じたときに多く分泌される。弘邦医院の林雅之院長が言う。
「孤独が常態化すると、コルチゾール濃度が一日中高くなり、血圧や血糖値も高止まりします。1人暮らしの男性は食生活が乱れがちで肥満になりやすいうえ、夜になってもコルチゾール濃度が下がらず緊張状態が続き、睡眠の質が低下する。年を重ねるとその傾向がさらに強まります。つまり、年配者の孤独の常態化は、高血圧、肥満、高脂血症、糖尿病の4つが重なる『死の四重奏』状態に陥りやすく、脳卒中や心筋梗塞などのリスクが高まるのです」