日本の薬は大丈夫か?(1)ジェネリックの「原薬」「原料」の大半は輸入に頼っている
業界再編が成功したとしても、それだけではジェネリック不足を解消できません。なぜなら日本のジェネリックの「原薬」や「原料」は、大半が輸入で賄われているからです。
原薬とは有効成分のこと。原料はより単純な化学物質で、そこから何回かの化学反応を経て原薬が合成されます。日本はそれらの多くを、海外からの輸入に頼っています。ジェネリックメーカーの主な仕事は、輸入した原薬に、添加物などを加えて、最終製品である錠剤やカプセルに仕上げることです。
先発薬では、製薬会社は有効成分だけでなく、その製造方法まで特許を取っています。ノウハウの流出を嫌って、自社製造が基本になっています。
原薬には輸入した後、精製・加工しないと使えない粗製品と、そのまま使用できる精製品とがあります。金額ベースで見ると、粗製品は中国がトップ(63.1%)、次いでインド(20.9%)、韓国(8.9%)などとなっています。
精製品では、やはり中国がトップ(25.3%)、次いでイタリア(16.6%)、韓国(14.7%)、インド(13.8%)の順です。(日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会、2023年から)。