著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

モチベーションには「内的報酬」と「ホワイトエンジン」が大事

公開日: 更新日:

 実験では、ソマ・パズルを解く被験者を2つのグループに分けました。それは、①パズルを解くと金銭的報酬(1ドル)を受け取れる②パズルを解いても金銭的報酬(1ドル)は受け取れない──です。

 その上で、パズルに取り組んでから30分経つと、監視員が退室し、自由時間を与えられるという環境を用意しました。“パズルを勝手にやめてもいい”という条件をつくったのです。

 結果、何が起きたのか? 報酬を受け取れない②のグループは、パズルに取り組む時間が長く、反対に①の受け取れるグループは、時間が短くなってしまったというのです。実験を主導したデシは、金銭という外的報酬が発生していないからこそ、②のグループはパズル自体に面白さややりがいを見いだした……つまり内的報酬が生まれたのではないかと説明しています。内的報酬があるからこそ、人は「もっとやってみよう」「がんばってみよう」と思えるというわけです。

 人のモチベーションには、2種類あるといわれています。

 ひとつは、「〇〇に言われたからやってみる」「がんばらないと家族を養えない」といった、恐れやプレッシャーによる動機を起因とした「ブラックエンジン」と呼ばれるモチベーションです。そして、もうひとつが、「自分のためにやってみよう」「家族を幸せにするためにがんばろう」といった、プラスの動機を起因とした「ホワイトエンジン」と呼ばれるモチベーションです。どちらも同じシチュエーションです。しかし、動機の支点をどこに置くかで、ブラックエンジンにもホワイトエンジンにもなりえます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    フジテレビ「第三者委員会報告」に中居正広氏は戦々恐々か…相手女性との“同意の有無”は?

  3. 3

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  4. 4

    兵庫県・斎藤元彦知事を追い詰めるTBS「報道特集」本気ジャーナリズムの真骨頂

  5. 5

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  1. 6

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 7

    冬ドラマを彩った女優たち…広瀬すず「別格の美しさ」、吉岡里帆「ほほ笑みの女優」、小芝風花「ジャポニズム女優」

  3. 8

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 9

    やなせたかし氏が「アンパンマン」で残した“遺産400億円”の行方

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」