堀田秀吾
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堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

「怒り」は相手のモチベーションを下げ本人の血圧を上昇させる

公開日: 更新日:

「褒め上手」という言葉があるように、人間は褒められると気分が良くなる生き物です。

 たとえば、部下が期日までに資料を作成したとしましょう。その際に、「期日までに間に合ったな。ご苦労さま」と声をかける上司と、「よく間に合わせたな。昼休みもそこそこにして頑張っていたもんな。また何かある際は期待しているぞ」と声をかける上司とでは、部下が抱く印象は異なるはずです。

 前者は、事実に対してのみ感想を述べていますが、後者は部下の心情をくみ取った上で感想を述べています。褒めるというアクションは、こうした心情に寄り添って声を掛けるとより効果的です。そもそも、褒めることは、他者のやる気を促進させます。

 ノースカロライナ大学のハンコックらが行った実験(2000年)では、褒めることでメンバーのモチベーションが向上したと報告されています。ハンコックは、被験者を2つのグループに分け、「リーダーシップトレーニング」と称した実験を行いました。

 内容は、2つのグループに同じトレーニングをしてもらい、その上でトレーナーが声を掛けるというものです。グループAの被験者たちには積極的に褒める言葉を発した一方で、グループBに対しては一切褒めなかったそうです。

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