在宅医療で気になることができたら大したことがないと思っても電話してください
冒頭の電話の主によれば、患者さんが体調を崩し嘔吐。「なぜ吐いてしまったのか? 病気の進行なのか、感染症なのか?」と心配され、それ以降、しばしば電話をいただくように。「着替えさせてあげたいから、点滴を抜いてほしい」という連絡で、自宅に伺い、点滴を抜いたこともあります。
この患者さんの場合、老衰に近いという面もありました。少しずつ衰弱していくのは自然な容体でもあると、丁寧に説明して納得してもらい、その上でできることを一緒に探していくようにしたのでした。
実はこのようにこまめなご相談は私たちにとってもありがたい。次回の診察で必要な物品を届けられたり、本格的に状態が悪くなる前に往診でき重症化を防げたりと、できることが広がっていくからです。
そのためにも当院は相談しやすい雰囲気づくりに励むと共に、患者さんやご家族が安心していただけるよう、診療チームから必ず折り返しの電話をするように努めています。
電話によるご連絡は、患者さんはもちろん、患者さんと関係するケアマネジャーや訪問看護師と診療チームをつないだりと、在宅医療において欠かせない大切な役割を担っているのです。