片方の親だけの「傾聴・共感」スキルアップだけでも子どもは救われる
■理不尽な言葉も黙って聞き、背後にある本音を知る努力を
でも、夫婦は自分で選んだ相手ですからその責任は自分にあるし、究極は別れるという選択肢もありますが、子は親を選べない上に、特に小さいうちは親は生殺与奪を握る絶対的存在ですから、その影響力たるや計り知れません。逆に言えば、それだけ存在感の大きな親が、ひたすらわが子の心に寄り添い、ただただわが子の話に耳を傾け、ときにわが子から反論したくなるような理不尽な言葉が発せられても黙って聞き、その言葉の背後にある本音を知ろうと努めてくれることは、お子さんにとっては本当に大きな力となるのです。
「子どもと話なんていつもしている」「これ以上、何を聞けと言うのか」などと途中であきらめてはいけません。何カ月何年かかろうと丁寧に続けていくことで、徐々に子どもからの信頼感が得られると、「こんなことを考えて、今までこの子は生きてきたのか」「本当にかわいそうで申し訳ないことをしてしまっていた」と驚かされることの連続だと、傾聴・共感を続けてこられた多くの親御さんが口にするほど、素の感情がどんどん出てきます。