「高次脳機能障害」と「認知症」…症状がほぼ同じなのに、治療法がまったく異なる理由
65歳未満で発症する若年性認知症を含め、認知症は急激に症状が進むわけではありませんし、症状の現れ方も人によって変わってきます。そのため、高次脳機能障害と同じく、認知症でも働ける状態であれば復職することが重要なリハビリになります。
認知症の患者さんが復職して就労するためには、①病状が安定すること②自分が働きたい意思があること③日常生活が自立すること④感情を抑えられること⑤自分の障害を説明できる病識を持つこと⑥いろいろな障害を代償して就労ができること⑦通勤が自立すること⑧週5日を就労する体力があること……の8項目が必須となります。この8項目を獲得させるリハビリが「復職リハビリ」で、それを可能にしてくれるリハビリ医療チームと就労支援所を選択しなければなりません。
このなかで、①、②、④は薬物治療が必要なケースも多くあります。前回お話ししたように、認知症の重症度や症状によって有効な薬は変わってきますので、それをしっかり把握して症状を改善させる投薬ができる医師にかかることが大切です。