がんの放射線治療…最新装置「イーソスセラピー」の実力

公開日: 更新日:

 ただ、がんによっては、位置だけでなく、臓器が大きく変動するものもある。例えば膀胱がんでは、尿量によって1~1.5センチほど変動することは珍しくない。すると照射範囲の中心軸を変えるだけでは対応しきれない。そこで即時適応放射線治療だ。

■これまでの装置とどう違う?

「即時適応放射線治療では、がんの位置の変動だけでなく、形状の変動にも対応できます。AIを用いた専用の装置によってその日の臓器の位置関係や状態に合わせて照射範囲を調整し、即時に適応させた放射線治療を行えます」

 もちろん、前述のようにIGRTでもがんの変動には対応できる。

「ただ、従来のIGRTでのCT画像は不鮮明なこともあり、ピンポイントとはいえ、本来のがんの大きさ、形状よりも数ミリの余裕を持たせて照射範囲を計算しています。一方、即時適応放射線治療ではもっとがんの形状に合わせ、よりピンポイントに照射できる」

 膀胱がんに対する即時適応放射線治療の有効性を示した研究では、病変を狭く照射でき、周囲の臓器の線量も低減するとの結果が出たと報告されている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人・菅野智之 完全復活の裏に「格の落ちる相手投手」にぶつける阿部監督の心遣い

  2. 2

    ジャンポケ斉藤慎二に付ける薬なし…2度目の不倫発覚に「女性を消耗品扱い」と識者バッサリ

  3. 3

    ダルビッシュの根底にある不屈の反骨精神 “強いチームで勝ちたい大谷”との決定的な違い

  4. 4

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 5

    自民ベテラン“ドサクサ駆け込み世襲”に批判続出!桜田義孝元五輪相は長男内定まさかの失敗

  1. 6

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 7

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 8

    石破首相「裏切り解散→10.27総選挙」で国民の恨みを買う!学校行事と“丸かぶり”投開票日に批判殺到

  4. 9

    「不倫報道2連発」ジャンポケ斉藤“復活”のカギは? とにかく明るい安村の泥臭さか、有吉弘行のいじりか

  5. 10

    書類送検されたジャンポケ斉藤慎二の「病的な女癖」…仕事中に20代女性に性的暴行の“異常性”