本格的に寒くなる前に知っておきたい…冬の「血圧上昇」と「糖尿病」のこと
暑く長い夏が終わったと思ったら、短い秋を挟み、いつも通りの冬がやってくる。気象庁が9月に発表した長期予報は今年の冬は例年並みの寒さになるという。そこで気をつけたいのが冬場の血圧上昇に伴う「ヒートショック」や「モーニングサージ」。とくに注意が必要なのは糖尿病とその予備群の人たちだ。糖尿病専門医で「しんクリニック」(東京・蒲田)の辛浩基院長に聞いた。
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「冬に血圧が上がるのは、寒い冬は熱を体外に逃がさないため、末梢血管が収縮して細くなり血液を送り出すのに大きな力が必要になるからです。春や夏に正常血圧だったとしても安心できません」
冬は鍋料理を楽しむことが多い。鍋には塩分が不可欠で、寒い冬は体を動かさず汗もかかないため、塩分(≒ナトリウム)が体内に残り、高血圧に拍車をかける。
「体内の塩分過多は血液中のナトリウム濃度が高くなることを意味します。私たちの体はその濃度を下げるために、血管の周辺から内に水分を流入させます。結果、血管内を流れる血液量が増え、それが寒さで細くなった血管の壁を押し、血圧を高くするのです」