もっと深刻だったのは、アメリカで2022年から発生した抗がん剤不足です。「シスプラチン」「カルボプラチン」という代表的な抗がん剤が、1年以上にわたって供給不足に陥ったのです。原薬を供給していたインドの工場が、品質問題で急に閉鎖されてしまったため、一時はアメリカ国内の供給が半減する事態となり、抗がん剤治療を受けられない患者が続出しました。
このときも日本は原薬の供給元を分散していたため、大きな問題になりませんでした。しかし供給元が海外の特定の1社に集中しているジェネリックも少なからずあるといわれています。いつ同じような事態が起こってもおかしくありません。 =つづく