著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

イライラしたとき「モノ」に当たるのは正解なのか?

公開日: 更新日:

 攻撃的な態度は、怒りの原因に反撃できなかったり、目標を達成できないというフラストレーションから起こるといわれています。そのため、怒りに任せて八つ当たりをすることは解決につながるわけではありませんから、さらにフラストレーションが募ってしまう可能性が高まります。

 八つ当たりの対象は、身近な人に向けてしまうことが往々にしてありますが、八つ当たりをしても百害あって一利なしということ。味方になってくれるかもしれない人たちを、かえって遠ざけてしまうだけです。

 また、ブッシュマンは、「空腹状態が続くと腸内の環境が悪化しイライラが募っていく」という興味深い研究(2014年)も行っています。実験では、夫婦107組に毎日お互いの悪口を聞かせて、枕元に相手に見立てた呪いの人形と針を置いた状態で過ごさせたところ、血糖値が低いときほど、人形に刺す針の数が増える傾向が出たといいます。

 ブッシュマンの実験にエッジの利いた実験内容が多いことはさておき、腹ペコ状態は精神的に良くないということが、科学的にも証明されていると言えるのです。

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