自分ががんだなんて思えなくて…囲碁棋士の三谷哲也さん悪性リンパ腫を振り返る
治療は半年間の抗がん剤になると聞きました。しかも強い薬を使う必要があると言われ、「副作用で髪は抜けるし、爪は剥がれるし、抗がん剤治療が終わるまではとても対局などできない」とのことでした。そう言われたので棋院へ半年間の休場申請を出したんですけど、じつは、その後の検査で少し軽めの薬でも大丈夫そうだという判断になって、結果的に抗がん剤の副作用は軽めで済みました。「これぐらいだったら十分(囲碁を)打てたな」と思ったくらい(笑)。
抗がん剤は月1回、病院へ行ってほぼ1日かけて点滴をし、その後は自宅療養。それを6回行いました。抗がん剤を投与してから数日間は食欲が落ちますが、3日もすれば普通に食べられる感じでしたし、脱毛も少し薄くなった程度で、本当に薬との相性がよかったのだと思います。
ただ、抗がん剤治療の前に行った腸の手術がとんでもなくつらくて、今考えてもあんなことはもう二度と経験したくないと思っています。悪性リンパ腫由来の腫瘤が大腸と小腸の間にあり、それを取り除くために腸を30センチ切除しました。ただ予定していた日程より前に激しい腹痛に襲われてしまって、救急搬送されたのです。