自分ががんだなんて思えなくて…囲碁棋士の三谷哲也さん悪性リンパ腫を振り返る
三谷哲也さん(囲碁棋士/39歳)=悪性リンパ腫
もうすぐ治療終了から丸5年が経とうとしています。悪性リンパ腫の場合、何事もなく5年経過すれば、寿命は健常者と同じといわれているので、もうあまり心配はしていません。病気がわかったときのことは、なんだか遠い過去のようです。
始まりは2019年の年末です。原因不明の腹痛が1週間ぐらい続き、なんかおかしいと思っていたら、仕事先で強い腹痛に襲われました。それまでとは比べものにならず立っていられないくらいの痛みだったので、仕事を急きょキャンセルして近場の内科に駆け込みました。すると検査後、「ウチではちょっと……」と言われ、大きな病院を紹介されました。
後日、その大きな病院で精密検査をしたところ「悪性リンパ腫です」と告げられたのです。でも、当時の自分はそれがどんな病気かまったく知りませんでした。「何ですか? その病気」と聞いて、先生に「血液のがんです」「ステージ4です」と言われてもピンとこなくて(笑)。
それまで病気らしい病気をしたことがなく健康には自信がありました。ですから、まさか自分が「がん」だなんて思えなくて不思議とショックや不安はありませんでした。