著者のコラム一覧
牧野伊三夫画家

1964年生まれ。画家。美術同人誌「四月と十月」同人。著書に「かぼちゃを塩で煮る」(幻冬舎)、「僕は、太陽をのむ」(港の人)ほか。北九州市情報誌「雲のうえ」、飛騨産業広報誌「飛騨」編集委員。

もつ焼き屋で泥酔し電車を「振り子」のように往復した

公開日: 更新日:
(画・牧野伊三夫)

 家の居間にゼンマイ式の柱時計がある。昔、古道具屋で買ってきたものだが、時間はほとんど狂うことがない。いつ見てもカチカチと小さな音をたてて丸い振り子をゆっくりと左右に揺らしている。そして3時になれば3回、12時になれば12回、ボーン、ボーンと鐘を鳴らす。

 最近、自分を振り…

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