太平洋プレート大暴れ 近づく3つの巨大地震を専門家が懸念

公開日: 更新日:

■南海トラフ

 太平洋プレートは、千葉南西沖からフィリピンまで続くフィリピン海プレートの下に潜り込んでいて、ここにも圧力をかけている。その影響で、18年12月ごろからフィリピンやインドネシアで地震や火山噴火が相次いでいる。

 太平洋プレートに押されている、そのフィリピン海プレートは、ユーラシアプレートに沈み込んでいる。フィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界にある海溝が南海トラフだ。ちょうど駿河湾(静岡県)から日向灘沖(宮崎県)にかけて存在する。

 南海トラフ地震について、政府は今後30年以内に70~80%の確率で発生するとし、18年12月以降、南海トラフが直接動いたとみられる揺れも観測されている。20年に南海トラフを震源とする地震が起きるかもしれない。

■相模トラフ  

 相模湾から房総半島南東沖にある相模トラフも要警戒だ。フィリピン海プレート、太平洋プレート、ユーラシアプレート、北米プレートの4つのプレートが重なり合うエリアだ。約100年前に起きた関東大震災の震源だった。

 太平洋プレートの強い圧力で相模トラフが揺れれば、首都圏を直撃する恐れがある。

「4つのプレートが重なる場所に位置する都市は、世界でも東京周辺以外にはありません。今回挙げた3つの地震はすべて東京を大きく揺らします。それぞれ、地震の兆候がいくつも見られる中、20年東京五輪を迎えることになります。最悪のタイミングです」(高橋学氏)

 19年は、平年以上に台風が日本列島に接近、上陸した。温暖化の影響で、強い勢力のまま列島直撃のケースも少なくない。

「地震と台風が重なることにも警戒や対策が必要です」(高橋学氏)

 18年9月の北海道胆振東部地震は、前日の台風21号の影響で土砂崩れなど被害が拡大した。

 20年は100年に1度の災害イヤーになるのか。

(おわり)

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド