肉好きがうなる安心安全な新様式の店 「焼肉の達人」厳選
焼肉レストラン「ぴゅあ」(神田店)
コロナ禍にありながら、次々とオープンする焼き肉店。換気と回転の良さも時代に即しているのだろう。「焼肉の達人」(ダイヤモンド社)の著者で、これまでに都内の200店以上を制した小関尚紀さんが選んだ安心安全の店とは――。
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JA全農ミートフーズ直営で、4等級以上の国産和牛が手ごろな価格で味わえる。オフィス街に構える創業店は、ランチに接待と多くのサラリーマンに重宝されてきた。
もともと焼き肉店は換気がいい。店内には15台の無煙ロースターが設置され、3分半に1度のペースで空気が入れ替わる。テーブルごとの区切りもあり、密にならない。店長の西村祐一さんは言う。
「6月3日の営業再開から、QRコードで各自のスマホにメニューを読み込みオーダーしていただけるようになりました。テーブルに2つだったトングも1人1つにしています」
営業再開に合わせて新メニューも用意した。
「予約限定の特別コース『牛13部位食べ比べコース』(1人税別5000円)は、ぜひこの機会に味わってほしいです」
安全管理も徹底し、自社工場から配送された塊肉を店で切り出し提供。牛肉トレーサビリティーによって、牛の生まれや育ちも把握できる。
「国産牛は肉の味わいが深いので、シンプルな味付けが合いますね。焼き加減の難しい『焼きしゃぶ』や『厚切りステーキ』『赤身塊焼き』はこちらでお手伝いしています。マメにひっくり返したり、弱火で滑らすのがコツですね」
プロの技を楽しみ、ぜいたくな時間を過ごせる名店だ。
千代田区内神田1―7―8 大手町佐野ビル1階
℡03・3294・4129
▽「焼肉ぴゅあの食事券1万円(5000円×2枚)」を15人にプレゼント。「焼肉本舗 ぴゅあ」「焼肉レストラン ぴゅあ」の全店で利用できます。応募の際は、はがきに郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号を明記の上、〒104―8775 日刊ゲンダイ「食と旅徹底ガイド ぴゅあ」係まで。10月23日(金)消印有効。
「思食」(東京・赤坂)
コロナ禍真っただ中の今年6月。ありそうでなかったフレンチ×韓国料理×焼き肉のフュージョン料理が誕生した。「思食」は、有名焼き肉店の統括部長だった柳野友明氏を店長に迎え、肉の仕入れ、焼きには絶対的なこだわりを持つ。
隠れ家的な同店は赤坂の路地裏に店名のみをしるし、上品にたたずむ。店内も落ち着いた雰囲気で、着席後のスターターはなんと「鮑粥」。コースの1品目で、うま味の詰まった胃にも優しいメニューである。続いて、「牡蠣のジョン」など韓国おかずの現代アレンジ風料理、うなぎの白焼きキャビアのせと続く。「フィレカツサンド」の次がいよいよ焼き肉だ。
まずは近江・澤井牧場のハラミ、サガリ。巨大な塊として登場し、柳野氏に気持ちよく焼かれ、我々の口の中へ。“口福”の塊を噛み締める。炊き餌を使用したこだわりの野崎牛のフィレは塊というか、崖のよう。フレンチシェフの付け合わせと共に。歯茎で噛めるくらい柔らかい。「松茸のすき焼き」はイチボ、テイト、シャトーブリアンと3種類の肉を食べられる。
他にも旬の素材を生かした料理や冷麺なども入って2万円。驚きの30品で、季節ごとに内容も変化する。
テーブル席は全て個室でカウンターも隣の席とは2メートル離している。2分30秒に1回で店舗全体の空気が入れ替わるので安心だ。
港区赤坂3―19―5
℡03・5544・8475
「虎ノ門 肉と日本酒」(東京・虎ノ門)
コロナ前までは、1年待ちといわれた谷中の超人気焼き肉店が、虎ノ門にやってきた。オープンはヤキニクの日(8月29日)。1階は“1人焼き肉”も出来る「焼き肉カウンター」、地下は6人掛けテーブルとなっている。接触機会を大幅に減らすため、オーダーは客の携帯からQRコードを読み込んでのモバイルオーダー方式。
2時間30分で6500円、8500円(いずれも税込み)の日本酒飲み放題、白米(魚沼産コシヒカリ)食べ放題と本家・谷中店を踏襲している。日本酒はフロア角に冷やされているので、好きなだけ飲んで良し。コース以外のアラカルトも用意されている。
せっかくの機会なので、8500円のコースをいただくことに。キムチとナムル、蒸し豚の前菜後に登場するハツ刺しは、軽くタレがかかっていて、歯応えがよく、センマイ刺しも鮮度抜群。朝締めレバーはエッジも鋭角で、新鮮そのもの。もちろんしっかり焼いていただきます。
塩焼きは極上黒タン、本日のホルモン、焼きしゃぶで、タレのホルモン、虎ノ門カルビ、赤身肉の厚切りと、怒涛のお肉攻め。お腹に余裕残しで、帰ることなど許されません。
メインはシャトーブリアンのあぶり焼き。焼き肉でシャトーブリアンの提供は、採算合うのか? 客が心配になるほどぜいたくなメニュー構成だ。
港区西新橋2―4―12 西新橋PR―EX1F・B1
℡03・6550・8829
「幸せの焼き肉食べ放題 かみむら牧場」(大阪・守口)
6月23日、大阪府守口市にオープンした。A4ランク以上の黒毛和牛がメニューに含まれる焼き肉食べ放題の店だ。
ウィズコロナ時代の真っただ中に誕生しただけに一味違う。オーダーしたお肉を特急レーンが運んでくるという斬新さ。従業員とも他のお客さんとも非接触で安全に食べられる。テーブルの横に回転寿司のようなレーンが設置されており、タッチパネルを通じて注文した料理をレーンから受け取るだけでOK。店内の空気も4分ごとに入れ替わる。
「プレミア4」と呼ばれる、すべてのコースで食べられるスペシャリティ「トリュフ香るソースでいただく魅惑のステーキ」「エサにパインを与えた完熟豚の鬼厚!トマホーク」「網目状にカットしたロングなダイヤモンドカルビ」「ハラミを厚切ステーキ風にしたマウンテンハラミ」はもちろん、ぜひ食べて欲しいのは3980円(税別)の「和牛マニアコース」で食べられる薩摩牛カルビと薩摩牛赤身ロース。
また南国黒牛(和牛遺伝子を75%以上受け継ぐ)のロースもオススメだ。東京・蒲田にも店舗がある。
守口市南寺方東通2―11―25
℡050・2019・8410
「COWMAN STEAK CLUB」(東京・神楽坂)
8月22日、神楽坂に新たなステーキハウスが登場した。店頭に所狭しと並ぶ精肉のショーケース、その後ろにある秘密扉を開けるとそこは別世界。ゴージャスで洒落た内装は、牛飼いの秘密クラブをイメージしたものだ。
使われているのは、うま味あふれる赤身と上品な脂肪が絶妙なバランスのブラックアンガス牛。一口頬張ると、なんとも滋味あふれる味わいである。米キャッシュバレーの自社牧場で完全オーガニックの飼料を与えられ育てられた。
「PORTER HOUSE」をいただいたが、900度のオーブンで焼いたステーキは余分な脂質が落とされて、表面はカリッで中はジューシー。肉のおいしさが凝縮されている。和牛の4分の1の脂質のブラックアンガス牛をこのように完璧に焼き上げられたら、サーロインでさえ、いくらでもペロリと平らげてしまう。
自社牧場で生産しているだけあって価格もリーズナブルだ。
従業員はマスクおよび飛沫防止のフェースガードを着用。正面扉を開放して換気をしているほか、個室も用意されている。
店舗は、ステーキハウス・グリルスタンド・テークアウト・ブッチャー(精肉店)の4業態で構成。TPOに合わせて使えるのもいい。
新宿区神楽坂6―67―1 マイナビ不動産ビル神楽坂1F・B1
℡03・6265・0466