著者のコラム一覧
田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

18人が東大現役合格 都立中高一貫校「小石川中教」のすごさ

公開日: 更新日:

■学費は私立の4分の1

「ゆとり教育が第一の目的として掲げられましたが、それは表向きにすぎない。このままでは都立高の大幅な削減が避けられないと、都教育委員会は危機感を強めていた。本当の狙いは大学受験にも強い都立高の復活。私立の進学校に太刀打ちできるような中高一貫校をつくろうとしたのです」

 05~10年、既存の都立高を再編する形で10校の都立中高一貫校(白鷗、桜修館、小石川、両国、立川国際、武蔵、富士、大泉、三鷹、南多摩)が設立された。

「おおむね、どこも予想以上の好結果を出しているので、関係者は一様に胸を撫で下ろしています。当初は、都立高が受験戦争を誘発するような状況は好ましくないという反対意見もあったのですが、今やそうした声はどこかに吹き飛んでしまいました」(都教育委員会・元職員)

 かかる費用も私立の4分の1以下とあって、都立中高一貫校の人気はウナギのぼり。一番人気の小石川中等教育学校の偏差値(四谷大塚調べ)は男女とも67。これは筑波大附属の男子66(女子は70)を上回る数字だ。あまり加熱しすぎて、文部科学省あたりから懸念の声が出るのではと、少し心配になってくる。

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