SAPIX、日能研…中学受験「学習塾」の栄枯盛衰
「やはり日進と同様、これも内紛です。オーナーと講師陣が対立。4教科の主要な講師がほぼ全員、SAPIXに移った。塾業界ではオーナーによる私物化が目立ち、こうしたことがしばしば起こる。結局、TAPも消えてしまいましたが」(前出・学習塾経営者)
TAP時代も難関中学の受験には定評があったが、SAPIXになってからは一層の強化が進んでいる。それは2021年の合格実績を見ても一目瞭然だ。
東京・男子御三家の開成269人、麻布207人、武蔵61人。新御三家の駒場東邦173人、海城247人、巣鴨224人。女子御三家の桜蔭160人、女子学院145人、雙葉54人。国立の筑波大附属90人、筑波大附属駒場86人。神奈川・男子御三家の聖光学院229人、栄光学園105人、浅野263人。挙げだしたらきりがないほど、他の学習塾を圧倒しているのだ。
「SAPIXの天下は当分、続きそうに思いますが、これまでの歴史を見てもわかる通り、何があるのかわからないのがこの業界。少子化問題も大きくのしかかってくるだけに、生徒の奪い合いはさらに激しくなってくる。周囲の学習塾にとっても、いつまでもSAPIXの独走を許しておくわけにはいかないのです」(学習塾経営者)
いずれにしろ、大人の勝手な都合で、子どもたちに迷惑がかかるようなことだけは避けてほしいものだ。