「森永乳業」見直される技術 紙パックなのになぜ長期保存が可能なの?
森永乳業が販売する紙パック飲料「Piknik(ピクニック)」。1981年に発売されたロングセラー商品で、「カフェ・オ・レ」「バナナオ・レ」など8種類の味が楽しめる。ただ、紙パックというと賞味期限が短いイメージがあるが、同社のピクニックは90~210日と長め。一体どんな技術を使っているのか?
「無菌環境下で食品と容器の殺菌を別々に行い、保存料や防腐剤を使用せずにおいしさと長持ちを両立させる『ロングライフ製法』です。現在は、牛乳、清涼飲料水、デザート、流動食など当社のさまざまな商品で応用されており、家庭内の食料の廃棄率を下げるほか、災害時の備蓄にも使える便利な食料として活躍しています」(同社担当者)
常温で食品を保存すると、当たり前だが腐ってしまう。空気中には細菌やカビ、酵母などの微生物がいるからだが、森永乳業の技術者は「だったら、無菌の空間で、殺菌した容器に殺菌した内容物を入れたらいいのでは?」と考えた。この技術により、一般的な牛乳の賞味期限が要冷蔵(10度以下)で15日程度のところ、常温で60日以上もの保存が可能となったのだ。また、ただの紙パックではなく、紙とポリエチレンの間にアルミ箔(はく)が入っている。光と空気を完全に遮断するためだ。さすがはジャパンクオリティーだが、そもそも「ピクニック」の名前の由来は何か。