冬の味覚の王様「ズワイガニ」を10倍おいしく食べる! この道25年の“カニ伝道師”に教わった
プロもハマるカニのおいしい食べ方
もし生のカニが手に入ったら、ぜひ試していただきたいのが焼きガニです。焼くことで身肉の水分がほどよく飛び、うまみが凝縮。さらに甲羅の焦げた香りが身肉に移り、風味が増します。刺し身やしゃぶしゃぶ、茹でガニとはまた違ったカニの味わいが楽しめますよ。焼きガニは家庭のホットプレートで簡単にできます。コツは焼きすぎないこと。温度は180~200度に設定して、鉄板が十分に温まったら、甲羅を下にして並べ、すぐにふたをします。5~10分蒸し焼きにして、身がぷくぷくと小刻みに膨らんできたら食べごろです。足だけなら5分で十分です。調味料なしでも、カニの塩分だけでおいしく食べられますが、味変としてバターやガーリックで炒ると、焼きガニの濃厚な風味と相まって絶品。ビールが進みますので、バーベキューの食材にもぴったりです。
カニは冬の味覚といわれていますが、実は世界の漁期は春先から初夏にかけて(3~6月)。この時季に北海道に行けばオホーツクの活ガニが生で手に入ります。冷凍ならいつでも鮮度のいいカニが手に入りますので、冬だけでなく、一年を通して食べていただきたいですね。
(聞き手=いからしひろき)
▽田辺晃司(たなべ・こうじ) 1981年福井県出身。水産加工販売会社勤務を経て、2011年に伝食を創業。年間1000トンのカニを取り扱う「甲羅組」ブランドを主力に、インターネット通販・店舗販売・飲食事業を手掛ける。楽天市場の「ショップ・オブ・ザ・イヤー 海産物ジャンル大賞」を2017年から4年連続で受賞。カニに対する情熱は誰にも負けない、自他共に認めるカニの伝道師。