マフィンの食中毒騒動があぶり出した過剰な「添加物嫌い」…過去に山崎製パンが投じた一石
今月11、12日に都内で開催されたイベント「デザインフェスタ」の会場で販売されたマフィンが原因で起こった、食中毒騒動が波紋を呼んでいる。
マフィンを食べた人たちから嘔吐や腹痛などの訴えがあり、製造から5日ほど経過したものを冷蔵保存せず販売していた疑いが持たれている。マフィンを販売した焼き菓子店は「防腐剤、添加物不使用」など、“健康志向”をウリにしていた。
「今回の事態を招いたのは防腐剤などが使われていないにもかかわらず、食品管理がずさんだったためで、無添加が悪いと断じるのは早計です。ただ、一部で食品添加物への誤解があるのも確かでしょう」(消費経済アナリスト・渡辺広明氏)
無添加やオーガニックを好む人たちからは、食品添加物を禁忌する声も少なくない。
「本やメディアの影響で、コンビニ弁当が添加物まみれと批判されたことがありましたが、国に安全性が認められている添加物は消費期限が長くなる分、安価に提供できる、おいしさが長持ちする、食中毒の危険性をなくすなどメリットがあります。それでも添加物を取りたくない人がいるのは理解できますが、販売業者の考えやレベルはさまざまです」(渡辺広明氏)