「ホテル暮らし」20代女子が1年間の支出報告 インフレ直撃でも昨年より宿泊費が安価な理由
結婚などの理由がない限り、元の賃貸暮らしには戻れない
「賃貸から今の暮らしに移る際に大規模な断捨離をして、所持品はスーツケース2つプラスαでしたが、それでも捨てられなかったものを処分して、祖母の形見など本当に大切なものだけを厳選しました。例えば、以前お付き合いしていた方からもらった指輪などの高価なアクセサリー類だったり、買ったものの履く機会がまったくなかったハイヒールだったりをメルカリで売って、身も心もさらに身軽になりました」
ただ5月以降はインバウンドがドッと押し寄せたことで、日に日に上がっていく宿泊料金に、賃貸へと気持ちが揺らぎかけたこともあったという。
「『料金が高くて、収納もない狭い部屋でよく暮らせるね』と言われることが増えましたが、施設内にワークスペースやくつろげる場所のほか、サウナやキッチンが併設されているところもあったので、部屋の広さ自体はさほど気になりませんでした。ただ自分好みにできないインテリアへの熱が高まったときがあって、そろそろ賃貸かなと思ったこともありました。でも、敷金礼金の初期費用や保険料、更新料、その他水道光熱費やWi-Fi代などを考えると、二の足を踏んでしまいました。新たに家具や家財道具を揃えるのもおっくうなのもあって、今の暮らしを来年も続けようと決意したばかりです」
元々航空会社勤務で旅行好きということもあって、旅をしながら生活するような感覚が自分に合っていると話すイワタさんだが、もちろん未来永劫この暮らしを続けるつもりはないという。
「それこそ同棲、結婚ということになったら、さすがに今の暮らしは続けられません。でも、若いうちに人が経験できないことを、と思ってやっているところもあります。食事は外食か買ってきたものを食べるので心配されることも少なくないですが、意外と健康的な食生活を送れるものだと今では実感しています。それからよく聞かれるのが住民票のことですが、実家に置いています。今ふるさと納税が流行っていますが、返礼品がもらえないリアルなふるさと納税をやっている感覚です」
基本徒歩や電車、ときにはレンタル自転車で移動して、行きたい店や行ったことのないところにでかける習慣がつき、ホテル暮らしで楽しみが広がったという。
「最近ではホテル暮らしを楽しむ様子を見てスナフキンみたいと言われることも。周りの目も奇異の目で見られるよりも新しい暮らし方として受け入れられるようになってきたと感じています」
来年はどんなホテルライフを送るのか。今からワクワクしていると話す。