視力低下の原因「強度近視」はコンタクトが招く? 一日中装着や50歳以降の利用は避けるべき

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生活に支障がある「眼瞼下垂」は手術できれいに治る

 これも目の違和感として訴えの多い「目が開かない」の原因としてよくあることなので、簡単に解説しておきます。

 まぶたが垂れ下がり、ものが見えにくくなることがある病気が眼瞼下垂です。眼瞼下垂はまぶたで瞳が隠れるので、とくに上の方が見えにくくなります。さらに、まぶたが上がらないと、眉毛を引き上げて目を開こうと眉毛が上がったりして見た目も高齢に見えます。そのためにおでこにはしわが寄り、頭から肩にかけての筋肉が緊張しますので肩もこります。

 多くの場合は、老化によって後天的にまぶたを上げる筋肉や腱などがゆるむことで起きる症状です。また、コンタクトレンズ装用によりエッジでこすられて、まぶたを上げる筋肉の腱が外れることでも起きます。

 眼瞼下垂手術など、顔の形成手術は世界的には眼科外科医が行います。日本では眼科外科医自体が少ないだけでなく眼科形成を行う医師が極端に少ないので、美容外科などで手術を受ける人が多いのです。ただし、美容外科では眼瞼挙筋などの眼科手術ができるわけではないので、皮膚だけ形成してまぶたは上がっていないことも多いのです。

 私はアメリカの眼科学会で、眼瞼下垂の手術方法を発表して賞を得ていて、その方法が広く欧米に広まっています。

 眼科外科医は顕微鏡下で手術します。皮膚の層を合わせて完全に閉じ、縫う際も目で見えないほどの細い糸で縫いますから、人間の目では傷跡はわからなくなります。これは肉眼で手術する形成外科医よりはるかに細かい手術なのです。術後には、見え方が全域に広くなります。さらに、多くの方が頭の重さや肩こりが消えたと言います。さらに、何よりも、見た目が若々しくなったと好評です。

 眼瞼下垂は、眼科外科医の得意な手術でもある、と覚えておいてください。

▽深作秀春(眼科専門医、深作眼科院長) 神奈川県横浜市生まれ。米・独で研鑽を積み、白内障や緑内障などの近代的手術法を次々と開発。米国眼科学会理事を務め、眼科殿堂選考委員、学術賞審査委員などを歴任。それまで不可能とされた眼病の新しい治療法の開発や、多くの革新的眼科手術法の開発により、国際眼科学会最高賞を20回受賞。2017年には、世界最高の眼科外科医に贈られる「クリチンガー・アワード」の、欧米以外の医師では初めての受賞者となった。現在は世界最高のスーパードクターとして25万件の手術実績を有し、日本中だけでなく世界中から患者が治療を求めて来院する。他方でプロ芸術家でもあり、多摩美術大学大学院を修了し、日本美術家連合会員という画家としての一面もある。

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