バック・トゥ・ザ・1985年…1ドル=200円だった頃の日本社会はどんなだった?

公開日: 更新日:

ウイスキーのジョニ黒が1本1万円近くした

 スコッチウイスキーのジョニ黒こと「ジョニーウォーカー黒」の当時の小売価格は9200円前後。テネシーウイスキーのジャックダニエルが8400円ほどだった。

「現在は2000~3000円ほどで購入できますが、当時の洋酒には高い関税がかけられており、税金分が高くなっていたのです。現在、海外のビール、ウイスキー、ブランデー、リキュール類の関税は“無税”です」

 こう説明してくれたのは日本洋酒輸入協会の担当者。ウイスキーではなく、税金を飲んでいたようなものだったらしい。1962年に従価税制度が導入され、洋酒には最高で220%もの酒税が課せられていた。この関税は徐々に緩和されて今にいたるのだが、輸入品によっては関税を下げれば買い求めやすくなる商品も出てくるはず。現在は清涼飲料水(9.6~13.4%)、アイスクリーム(21~29.8%)、チーズ(22.4~40%)などが高関税のままだ。

 一方、マリリン・モンローが愛用した香水「シャネル5番」の1985年の価格は1万4340円。現在は4万700円(15ミリリットル)で、こちらは物価上昇分が価格に転嫁されている。

■対外純資産は1298億ドル

 円安で大きく増えたものもある。日本の対外資産(円換算)だ。

 2022年末の時点で1338兆2364億円。対外負債の919兆6079億円を差し引いた対外純資産は418兆6285億円となり、32年連続で世界最大の純債権国だ。

 ちなみに、22年末のドル・円は約132円で、今の円安ならさらに“含み益”が出ていることになる。

「1985年の日本の対外純資産は1298億ドル(約26兆円=当時のレート)でした。それからコツコツと海外に投資し続けた結果、今の418兆円はその16倍です。利益確定で売り抜ければ、少子化対策や年金の財源も簡単に確保できます」(ジャーナリスト・中森勇人氏)

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    北乃きいが「まるで別人!」と話題…フジ「ぽかぽか」でみせた貫禄たっぷりの“まん丸”変化

    北乃きいが「まるで別人!」と話題…フジ「ぽかぽか」でみせた貫禄たっぷりの“まん丸”変化

  2. 2
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 3
    鹿児島・山形屋は経営破綻、宮崎・シーガイアが転売…南九州を襲った2つの衝撃

    鹿児島・山形屋は経営破綻、宮崎・シーガイアが転売…南九州を襲った2つの衝撃

  4. 4
    (6)「パンツを脱いできなさい」デビュー当時の志穂美悦子に指示したワケ

    (6)「パンツを脱いできなさい」デビュー当時の志穂美悦子に指示したワケ

  5. 5
    ビール業界の有名社長が実践 自宅で缶ビールをおいしく飲む“目から鱗”なルール

    ビール業界の有名社長が実践 自宅で缶ビールをおいしく飲む“目から鱗”なルール

  1. 6
    マレーシア「ららぽーと」に地元住民がソッポ…最大の誤算は歴史遺産を甘く見たこと

    マレーシア「ららぽーと」に地元住民がソッポ…最大の誤算は歴史遺産を甘く見たこと

  2. 7
    静岡県知事選で「4連敗」の目 自民党本部の推薦が“逆効果”、情勢調査で告示後に差が拡大の衝撃

    静岡県知事選で「4連敗」の目 自民党本部の推薦が“逆効果”、情勢調査で告示後に差が拡大の衝撃

  3. 8
    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9
    若林志穂vs長渕剛の対立で最も目についたのは「意味不明」「わからない」という感想だった

    若林志穂vs長渕剛の対立で最も目についたのは「意味不明」「わからない」という感想だった

  5. 10
    “絶対に断らない女”山田真貴子元報道官がフジテレビに天下りへ 総務官僚時代に高額接待で猛批判浴びる

    “絶対に断らない女”山田真貴子元報道官がフジテレビに天下りへ 総務官僚時代に高額接待で猛批判浴びる