KADOKAWAの大規模システム障害は他人事じゃない…サイバー攻撃による機能不全は不可避なのか
ITジャーナリストの井上トシユキ氏は、こうしたサイバー攻撃による機能不全は決して他人事ではないと話す。
「これまでもさまざまな企業や組織でシステム障害が起こっています。昨年7月にランサムウエア攻撃を受けた名古屋港の場合、3日程度で早期復旧していますが、長期化する見通しのKADOKAWAの一件で、サイバー攻撃によるリスクがより身近であることが伝わっています」
規模の大小を問わず、情報システム部門が手薄な企業が密かに問題になっている。
「ランサムウエアによる被害はメールを介したものが多かったのですが、感染経路は複雑化しています。ハッカーの技術はより高度化し、堅牢なセキュリティーを構築していても簡単に防げるものではありません。システム部門は業績悪化でコストカットの対象になりやすく、こうした企業や組織はサイバー攻撃で致命傷を受ける可能性が高い。病院などがシステム障害になった場合も、手術や検査が受けられなくなるなどの影響を及ぼしかねません」(井上氏)
業務のデジタル化で利便性が高まる一方、セキュリティーへの認識や被害による影響は軽視されがちだと井上氏は話す。