無意味だった定額減税、実質賃金26カ月連続減…今年も庶民は「節約の夏」が確実に
厚労省が8日発表した5月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、物価変動を反映した実質賃金は前年同月比1.4%減。26カ月連続のマイナスで、過去最長を更新した。
基本給などの所定内給与は賃上げを受けて2.5%増と31年4カ月ぶりの上げ幅だったが、実質賃金のマイナス幅は前月(1.2%減)から拡大。物価上昇に追いついていない。
岸田首相は官製賃上げに鼻高々でも、庶民生活は物価高騰に着実に蝕まれている。総務省の5月の家計調査では、1世帯(2人以上)あたりの消費支出は29万328円。物価変動の影響を除いた実質で前年同月比1.8%減と、2カ月ぶりにマイナスに転じた。長引く物価高騰を受け、節約志向は依然として根強い。
節約の流れは今年の夏休みもしかり。日本生命が先月、約1万5000人を対象に「夏季休暇の過ごし方」についてアンケート調査を実施したところ、「自宅・自宅周辺で過ごす」が最多の48.4%。「国内旅行(宿泊あり)」(16.3%)、「近場のレジャー(日帰り)」(10.2%)が続いた。いずれも昨年とほぼ同じ割合であり、今年も「節約の夏」になりそうだ。