晴海フラッグは「都有地9割引」の果てにマネーゲームの舞台と化した
「あの問題」とは、晴海フラッグの分譲マンションが転売・賃貸目的の投資家や法人に買い占められ、投機マンションと化していることだ。NHKが登記簿をもとに「サンビレッジ」という街区の1089戸の所有者を調べたところ、全体の4分の1以上の292部屋が法人名義での取得。棟によっては法人名義の部屋が全体の4割以上を占めていた。また、個人名義では最も多い人で10戸を所有していたという。
実際に日が暮れると、明かりのともる部屋はまばら。周辺の月島や豊洲のタワマンと比べても真っ暗な部屋が圧倒的に多い。東京都が投機目的の購入を想定せず、申し込み戸数の制限など規制を設けることなく黙認したツケだ。晴海フラッグはもともと、都有地。都民の共有財産だった土地がマネーゲームの舞台となってしまったのだ。
しかも、周辺地価の9割引きという破格値で、三井不動産レジデンシャルなど11社の事業グループに“投げ売り”された経緯がある。いわくつきの譲渡契約を締結したのは2016年12月、就任1年目の小池だった。
「都議会や都財産価格審議会にも譲渡価格を事前に諮らず土地を処分。本来なら地方自治法の規定に反します」と言うのは「晴海選手村土地投げ売りを正す会」の市川隆夫事務局長だ。