(31)「もし運転手さんに娘さんがいたら」…超美人ホステスさんからの「人生相談」
「そのことわざ、初めて聞きました。親って、そうなんですね。私もちょっと考えてみます」
目的地に着くと、彼女は「運転手さん、ありがとう」とさわやかに言い残して去っていった。その後ろ姿を見送りながら、「偉そうにお説教じみたこと言って失礼しました、聞き流してください」という思いで私は頭を下げた。とにかく、彼女が円満な親子関係で暮らせることを願いつつ……。
とりあえず独身ではあるが、気の小さな初老のタクシードライバーには「恋のお相手」より「相談相手」がお似合いなのだ。