ジャーナリスト鈴木哲夫氏は間近で見た 石破茂氏「防災省」提言の熱意と本気度

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■縦割り行政に横ぐしを

 ヨーロッパの有数の地震国であるイタリアでは、1992年に非常事態の予測や防止などを担当するイタリア市民保護局という首相直轄の国家機関が設置されたという。

 地震発生時には保護局が指令を出し、48時間以内に避難所へコンテナ型のトイレ、簡易テント、キッチンカー、簡易ベッドが届けられる。簡易テントなどは家族単位の10人程度が入れるものでエアコン完備だ。ため息が出てしまう。

 能登半島地震の際には、3カ月後に起こった台湾での地震対応とも比較された。台湾では立派なテントが立ち、テント1つにベッドが2~3床配備された。温度調節できるシャワー用テントや日用品、食料も充実。避難者は疲れや緊張をほぐすマッサージを受けることもでき、子どもたちにはビデオゲームまで用意されていた。

 一方、能登の避難者は体育館に詰め込まれ、プライバシーのない劣悪な環境での生活を強いられた。この彼我の差は何なのか。それだけに、石破氏の唱える「防災省設置」には耳を傾けたくなるが、「シン・防災論」で石破氏が語ったことは具体的だ。

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