ジャーナリスト鈴木哲夫氏は間近で見た 石破茂氏「防災省」提言の熱意と本気度

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 能登半島地震の際には、3カ月後に起こった台湾での地震対応とも比較された。台湾では立派なテントが立ち、テント1つにベッドが2~3床配備された。温度調節できるシャワー用テントや日用品、食料も充実。避難者は疲れや緊張をほぐすマッサージを受けることもでき、子どもたちにはビデオゲームまで用意されていた。

 一方、能登の避難者は体育館に詰め込まれ、プライバシーのない劣悪な環境での生活を強いられた。この彼我の差は何なのか。それだけに、石破氏の唱える「防災省設置」には耳を傾けたくなるが、「シン・防災論」で石破氏が語ったことは具体的だ。

「かつて国土庁に防災局があり、それなりに恒常的な組織だったが、いま内閣府にある防災担当は各省庁から概ね2年の期限で出向した職員約100名で構成されている。いかに彼らが優秀で懸命に働いていても人数が決定的に足りず、経験や知識の蓄積と伝承に難があることは明白。防災省のような恒常的な組織を作り、その長にはこれまでのような担当大臣ではなく専任の国務大臣を置き、その大臣は、専門的な知識と経験を有する人たち、たとえば民間の専門家や学者など議員以外も含めて専門集団を作り、内閣改造や政権交代に関わらず長期にわたって防災専門の官僚やチームを確立する――、そんな運用も検討に値するのではないか」

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