小池都知事が選挙で戦ったAIエンジニア安野貴博氏を大抜擢…異例人事に透ける“石丸封じ”の思惑
石丸伸二氏との安野氏の親和性
ただ、小池知事には別の思惑もありそうだ。念頭にあるのは、知事選で小池知事に次ぐ165万票を獲得した石丸伸二・前安芸高田市長の存在だ。ある都政関係者はこう言う。
「石丸さんは来夏の都議選に向けて地域政党を発足させると明言。息のかかった候補の擁立を示唆しました。小池知事と、その一派である都民ファーストの会の都議にとっては脅威です。そんな石丸さんは、放っておくと安野さんと連携しかねない。石丸さんは知事選時から陣営内にITチームを設置し、デジタル技術を駆使した選挙戦を展開。安野さんとの親和性は十分だからです。注目の2人にくっつかれると、知事サイドとしては困る。だから、先に声をかけて取り込んだというわけでしょう」
石丸氏は知事選直後、TBS系「サンデー・ジャポン」で安野氏について「ああいう存在、大好き。政治に関わらなくても良かったのに、ここ(知事選)で政治に関わろうという決断がいいなと思いました」と持ち上げていた。こうした石丸氏の、安野氏への“接近”と取れる言動が小池知事の判断を急がせたのかもしれない。
■懐の深さも示せる
「安野さんの抜擢のメリットは“石丸封じ”だけではない。知事選で戦った相手を起用することで『ノーサイド』を演出し、懐の深さを示すことができる。ある意味で“天才的”な感覚ですね」(前出とは別の都政関係者)
やはり“機を見るに敏”ということなのか。
◇ ◇ ◇
来年夏の都議選への“殴り込み”を明言した石丸伸二・前安芸高田市長。国民民主党の玉木代表も「かなり旋風を巻き起こす可能性は十分ある」と予想する、石丸新党の実力は? 関連記事【もっと読む】『石丸伸二氏「新党」の気になるポテンシャル 来夏の都議選に殴り込み、まさかの第1党獲得?』で詳しく報じている。