「サトウのごはん」は17品目終売 深刻コメ不足にあちこちから悲鳴…卸売業者が訴える倒産続出の危機
一時閉店に踏み切ったコメ業者も出てきた。
京都府舞鶴市の「まつもと米穀」は創業90年の老舗で年間約300トンのコメを取り扱っていたが、在庫が底をつき営業を続けられなくなったことで、今秋までの閉店を決めた。長年共に働いた5人の従業員も解雇せざるを得なかったという。同社の松本泰社長は、その経緯をこう明かす。
■「手に入るのは品質の悪いコメや海外産米だけ」
「毎年、田植えのころにコメ農家と契約を結び、仕入れる量を決めます。しかし今期は、契約よりも少ない量しか仕入れられないことが多く、卸売業者からも次第にコメが手に入らなくなった。普段は業者間でコメを融通しあったりするのですが、いつしかそれさえもできないほど、どこにもコメがなくなっていました。備蓄米の放出でも関係業者に依頼したが卸してもらえず、最後の望みも絶たれてしまった。手に入るのは品質の悪いコメや海外産米だけになってしまい、会社が守ってきた品質を維持するためにも、一時的に店を閉めることにしました。新米が出回り始めるころには必ず再起し、店を再開するつもりです」