歯科技工士の4割が「年収300万円以下」の衝撃…深刻な人手不足で入れ歯・差し歯“難民”が続出する
過労死ラインを余裕で超えるブラック待遇なのに、なんと4割が年収300万円以下。週70時間の労働で年収300万円だとすると、時給はざっくり860円に過ぎない。なぜ、ベラボーに低いのか。
■技工士が正当な料金を請求できない
歯科技工物は保険点数に応じて定価が決まっており、取り分は歯科技工士が7割、歯科医が3割。しかし、技工士は歯科医から委託されて詰め物などを作る、いわば「下請け」だ。その結果ダンピングが生じ、「7対3」のルールが崩れているという。
例えば、金属製のかぶせ物は定価4590円。本来なら技工士の取り分は7割の3213円だが、アンケート結果では平均値が2416円。正当な取り分をもらえていないのが分かる。アンケートには〈7:3といったところで、技工士が料金を請求できていない〉(50代・個人)などの意見が相次いだ。約9割が「技工料金の全体の値上げ」を望んでいる。
あまりに過酷な状況に、〈自分の家族、周りの者に歯科技工士になってはいけないと多くの人が言っている〉(40代・個人)との声も。近い将来、歯が抜けても入れられないオジサンだらけの国になってしまうかもしれない。
◇ ◇ ◇
飲み屋の倒産件数がコロナ禍超えで過去最多更新した。関連記事【もっと読む】で詳しく報じている。