実質GDP日本は下方修正、米国では大統領選…2024年は円安と円高のせめぎ合い
内閣府が12月8日に発表した2023年7~9月期の実質GDP(季節調整済み)改定値は、速報値の前期比年率2.1%減から2.9%減へ下げ幅を広げ、過去の数値も改定されたことで4四半期ぶりのマイナス成長となった。
同10~12月期はプラス成長に戻ると予測されているが、海外の経済減速や為替次第で輸出に期待しにくく、24年1~3月期は不透明である。
23年4~6月期の実質GDP(同)改定値は前期比1.2%増、年率換算4.8%増と、速報値(前期比1.5%増、年率換算6.0%増)から下方修正されたから、まさに下振れの連続である。
他方、米国の商務省は11月29日に23年7~9月期の実質GDP(同)を年率換算で前期比5.2%増に改定、速報値(4.9%増)から上方修正した。GDPの伸びが5%を超えるのはコロナ禍からの回復期だった21年10~12月期(7.0%増)以来で、改定値は23年4~6月期(2.1%増)を大きく上回り、プラス成長は5期連続である。
日本は下方修正、米国は上方修正──。実質GDPで見ると米ドルは「買い」、日本円は「売り」と円安であるが、12月7日、NY市場で一時1ドル=141円台の円高が起きた。これは7日の参院財政金融委員会で、植田日銀総裁が「年末から来年にかけて一段とチャレンジング(挑戦的)になる」と発言したことがきっかけ。