全国の金融機関から32億円以上を不正融資…三菱UFJ信託銀行エリートとコンサル経営者の巧妙手口
信託銀行のエリート社員と、やり手の不動産コンサルティング経営者がグルになり、全国の金融機関から32億円超もの大金をだまし取っていた。
融資に必要な書類を偽造し、横浜銀行から3億8000万円を詐取したとして、警視庁捜査2課は5日、三菱UFJ信託銀行の行員、松田大樹(47)、不動産コンサル会社「UP-Fコンサル」社長の藤本優(31)両容疑者と同社社員ら2人を詐欺の疑いで逮捕した。
松田容疑者は藤本容疑者の会社の顧客の一人で、不動産投資をして家賃収入などを得ていた。藤本容疑者から詐欺話を持ちかけられた松田容疑者は2022年3~5月、藤本容疑者ら3人が偽造した源泉徴収票や資産残高を記載した資料を横浜銀行側に提出。神奈川県内のアパート1棟の購入資金として、不正に融資を受けていた。
「松田は横浜銀行から融資金3億8000万円を受け取ると、その金を藤本が管理する口座に全額送金していた。その口座は不正融資がバレないように、アパートの売り主と同じ法人名義にしていました。藤本は偽装口座から5000万円を抜いた上、アパートの購入代金とし3億3000万円を売り主に振り込み、松田からも“手数料”として1000万円を受け取っていた。松田にはアパートの家賃収入が入るというスキームでした。ある意味、ウィンウィンの関係だったのでしょう」(捜査事情通)