「肥満症薬」がテスラを超えた! 有望株が次々と出現する米国市場の強さ
肥満症薬で先行者利益を持つノボとリリーの独占状態は今後5~7年続くとみられているが、先行2社に追いつこうと世界で開発競争が起きている。米アムジェンや米ファイザーなどは独自の肥満症薬の開発を急ぎ、スイスのロシュは米創薬ベンチャー企業を買収した。
日本勢でトップを走るのは中外製薬だ。肥満症向け新薬候補「オルフォルグリプロン」の期待が大きく、時価総額は10兆円を超え国内製薬業界トップに返り咲いた。さらに塩野義製薬も肥満症薬を開発中で、治験を実施している。
製薬会社ではないが大阪ソーダは肥満症薬の製造過程で使用される無機化学製品のシリカゲルを手がけていることが材料となり、株価は22年3月末比で3倍だ。
次々と代わりの業種の銘柄が出現し、市場を盛り上げる。こうした活力こそが米株式市場の強さであり、世界から投資マネーを引きつける理由だが、日本の市場も4万円超えを継続していくには新たな有望株の出現が不可欠になっている。 (丸)