ロイヤルHD(上)コロナ禍を乗り切ったファミレス業界の“元気印”、お家騒動ぼっ発も
■利益率で他社に大差つける
ちなみに他のファミレス、すかいらーくHDの場合、営業利益率は3.3%、サイゼリヤは3.9%だ。この数字だけでは大差ないと思うかもしれないが、実はロイヤルHDは他社と違い、売上高に外食事業が占める割合は44%に過ぎない。そしてその利益率は6.8%を超え、他社に大差をつける。
しかしわずか十数年前までのロイヤルHDはガタガタだった。当時は今と違って、ロイホが売り上げの8割近くを占める大黒柱だったが、その実態は増収減益と減収増益を繰り返すいびつな会社だった。
ロイホは江頭匡一氏が1971年に福岡県で第1号店をオープンさせたことから歴史が始まる。江頭氏は城山三郎氏の小説「外食王の飢え」のモデルにもなった立志伝中の人物。ロイホ以前から外食事業を手掛けており、69年には食材を1カ所で調理するセントラルキッチンを導入、さらにはフランチャイズ制を採用するなど、現在のファミレスの原型をつくっていく。これを真似るように全国でファミレスは大量に生まれ、親と子どもだけのニューファミリー層の圧倒的な支持を得た。