米中で激化する“半導体戦争”…ハイテク分野での軋轢は増すばかり、4月下旬からの決算発表に注目
アップルは24年下半期に広東省深圳で新しい応用研究実験室を開設する。投資額は10億元以上。クック氏は3月22日に北京で中国の王文涛商務部長と会談。王部長は「アップルが引き続き中国市場に取り組み、共同発展を実現することを歓迎する」と期待を寄せた。クック氏は「中国での長期的な発展に力を入れ、中国のサプライチェーン、研究開発、販売促進への投資を拡大していく」とも述べた。
米国と欧州連合(EU)は4月4、5両日にベルギーで開かれた「米EU貿易・テクノロジー協議会」(TTC)の閣僚級会合で、旧世代半導体の供給網強化に向け連携を強めることで合意。対中半導体規制を旧世代品にも広げられるもようで、他国の参加を促す方針も示した。旧世代半導体は自動車や家電、携帯電話、医療機器など幅広く使用され、中国製への依存度が高いとみられているからだ。
各国の安全保障環境上、先端半導体・半導体製造装置は自由貿易から外された過去に類例のない重要な成長分野となった。そのため、米国は同盟国の巻き込みに奔走している。
日本の「失われた30年」の間に、中国では産業構造が激変していた。日米ハイテク企業の4月下旬から5月下旬にかけての決算発表に注目したい。