お金の専門家が米国旅行から考えた「金融株」が“追い風”の根拠
米国株の注目は「保険」
そんな中で米国株の推奨銘柄を考えてみました。一般消費財は、アメリカ人の購買力は全体で落ちている可能性がありますから、お勧めできません。ただ米国金利がいずれ下がることを想定すると、金融株がいいかもしれません。金利が下がるということは経済が悪化していることを示すので、金融施策としては引き締めから緩和の方に行く。だから銀行、証券や保険も含めた金融株は追い風になります。特に保険はキャッシュが潤沢なので配当金も出やすいですからね。
アメリカに行くと日本がいかに便利で快適であるか身に沁みます。ホームレスが道を汚くしていても気にしないし、電車や飛行機が遅延するのは日常茶飯事。旅の最後のサンフランシスコでは、1泊5万円するホテルに泊まったのですが、シャワーのお湯が出ずに夜が寒くて酷い思いをしました。一方で、日本は便利ですが細かいところに気を遣いすぎて、肝心なところの生産性を下げているのではという風にも思えました。あれば嬉しいけど、無くても大きく困らないサービスに対して神経を使いすぎていますよね。
物を食べるにしろ、ホテルに泊まるにしろ、移動するにしろ、細やかな気遣いが無くても主目的が達成できれば良い訳です。つまりその辺りに寛容さを持つことが、今後の日本経済がさらに復活していくための大事なポイントなんじゃないかなと思いました。
日本は人材不足ですから、Amazonの翌日配送や物が全部揃っているスーパー、時間通りの公共交通機関やすぐ来るタクシーなどの便利な状況は、将来的には当たり前ではなくなるでしょう。もしくは高いお金を払わなくては利用できないようになる。でもそんな不便を少しでも許容して、人材を本当に付加価値が高い産業に労働力を集結させることが大事になってくると思います。