NTTドコモ「銀行業」進出の野望と背景…前田義晃新社長の思わせぶり発言に銀行業界は戦々恐々
前田氏はリクルートを経て2000年にドコモへ入社した中途採用組だ。携帯電話サービス「iモード」やポイントサービス「dポイント」に携わり、マネックス証券の買収等も手掛けた。そうした非通信分野の手腕を買ってドコモ社長に抜擢したのはNTTグループのドン、澤田純会長だ。
澤田氏は20年末に上場子会社であったNTTドコモを完全子会社化した。買収総額は約4兆2500億円と、国内企業へのTOB(株式公開買い付け)としては過去最高額。ドコモ分離から28年を経て、NTTグループは再統合へ動き出したと喧伝された。
NTTドコモは4月にアマゾンジャパンとポイント事業で提携を発表したが、この電子商取引(EC)の巨人との提携を主導したのも澤田氏、前田氏の師弟コンビだ。
前田氏は、銀行業への参入について、金融機関との提携や買収の可能性に触れつつ、「お相手が見つかるかにもよる」「いろんなことを検討している」と思わせぶりな発言を繰り返しており、取引銀行は戦々恐々となっている。
■ドコモと組む銀行は勝ち組に