Looop 森田卓巳社長(1)再生可能エネルギーに特化した独立系新電力会社のトップランナー
再生可能なエネルギーを世に広め、貢献したい
「このパネル、ワットいくら?」
来場者の多くは、太陽光パネルの出力に対する1ワットあたりの単価を知りたがる。
「最初は聞かれている意味もわからなかったのですけれども、『いくらと思います?』と、聞き返したりしてかわしていました。相手が答えると、『まあ、そのぐらいですね。あとはボリューム次第ですかね』なんて言って、答えを出さずに接客して切り抜けました」と森田は笑う。
来場者の数人とは名刺交換をしていたため、「これは最後までやり切らないと無責任じゃないの」と言う中村の術中にはまっていく感じで、森田は入社することになる。
Looopには、資源が枯渇しない太陽光や風力、水力などの再生可能なエネルギーを世に広め、貢献したいという思いがある。
13年11月、フィリピンに上陸した巨大台風によって甚大な被害が出ていることを知り、森田たちはすぐさま被災地支援に駆けつけた。
発電所が破損してブラックアウト状態になっているモロカボク島に独立型ソーラーキットを設置するとともに、ランタンを届けたのだ。
「ランタンの明かりがともった瞬間、みんなが笑顔になって拍手がわき起こりました。電気の素晴らしさを実感した瞬間でした」と森田は語る。
この支援活動は現地でも注目され、翌年2月には地元のラジオ番組に出演、新聞社から取材を受けた上に、知事から感謝状まで授与された。(つづく)
(ジャーナリスト・林美保子)