著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

アリナミン製薬(下)本体の武田薬品工業はウェバー社長で本当に良かったのか?

公開日: 更新日:

■時価総額は中外製薬にも抜かれ…

 国内に戻る。時価総額で武田は第一三共だけでなく中外製薬にも抜かれた。第一三共の株価は10年前から約7倍になった。武田は1割近く下落した。

 主力薬の特許切れで24年3月期の連結最終利益は前期比54.6%減の大幅減益となった。

 ウェバーがトップで本当にいいのか。

 ウェバーは漢字の武田を絶対に使わない。いつもTakedaだ。特別にデザインしたローマ字のロゴを使っている。

 中興の祖、武田国男は今年6月8日、84歳で亡くなった。彼もウェバーの社長就任に反対していた。外国勢に食い物にされることを恐れたからだ。

 医療用医薬品に経営資源を集中するため、大衆薬部門のアリナミンを21年に米投資ファンドのブラックストーンに2400億円で売却した。

 1年間で、3500億円で転売するという、荒々しい会社転がしでブラックストーンは1100億円の利益を1年で得た。新たなオーナーになったMBKパートナーズは3500億円を出したが、「アリナミンの名前と実績があればアジア市場でさらに成長できる」と読んでいる。

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