アリナミン製薬(下)本体の武田薬品工業はウェバー社長で本当に良かったのか?
■時価総額は中外製薬にも抜かれ…
国内に戻る。時価総額で武田は第一三共だけでなく中外製薬にも抜かれた。第一三共の株価は10年前から約7倍になった。武田は1割近く下落した。
主力薬の特許切れで24年3月期の連結最終利益は前期比54.6%減の大幅減益となった。
ウェバーがトップで本当にいいのか。
ウェバーは漢字の武田を絶対に使わない。いつもTakedaだ。特別にデザインしたローマ字のロゴを使っている。
中興の祖、武田国男は今年6月8日、84歳で亡くなった。彼もウェバーの社長就任に反対していた。外国勢に食い物にされることを恐れたからだ。
医療用医薬品に経営資源を集中するため、大衆薬部門のアリナミンを21年に米投資ファンドのブラックストーンに2400億円で売却した。
1年間で、3500億円で転売するという、荒々しい会社転がしでブラックストーンは1100億円の利益を1年で得た。新たなオーナーになったMBKパートナーズは3500億円を出したが、「アリナミンの名前と実績があればアジア市場でさらに成長できる」と読んでいる。