岸田首相が残す「原発再稼働」という負のレガシー…任期終了まで“延命”を政策で後押し

公開日: 更新日:

原発再稼働に前のめり

 それでも岸田首相は原発再稼働に前のめりだ。27日の「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議」で、運転停止中の東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)を念頭に「残された任期の間に、GXを一歩でも前進するため尽力する」「そのひとつが、東日本における原子力発電の再稼働の準備」などと強調。地元の理解を得るため、来週に原子力関係閣僚会議を開催すると決めた。

 政府の地震調査委員会が今月2日に発表した海域活断層の評価を受け、規制委が電力会社に地震や津波の原発への影響を確認するよう指示したばかりだ。

「原発は『安価』『脱炭素』と言われますが、本当でしょうか。事故が起きれば環境負荷は極めて重く、地震などの災害や運営する会社の能力の劣化によって事故リスクは高まっています。消費者の払った料金が、いつ動くか分からない原発の延命に使われているのに、それを政策として後押しすることに疑問を抱かざるを得ません」(阪上武氏)

 GXにせよ原発再稼働にせよ、岸田首相がレガシーづくりで自己満足を得るための道具ではない。

  ◇  ◇  ◇

 ●関連記事【もっと読む】『東電福島原発がようやくデブリ取り出し作業開始も…ささやかれる《今世紀中に廃炉は無理》の必然』では、福島原発をめぐる混乱を取り上げている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    石破首相「トランプ関税」日米交渉へ怪しすぎる本気度…外務省の具申に「アベ案件だろ」と吐き捨て

  2. 2

    公明が自民に提案…物価高対策に「マイナポイント」活用案で国民の怒りに“火に油”

  3. 3

    関税交渉で日本が持参した危険な「お土産」か…米国債追加購入の無間地獄シナリオ

  4. 4

    大阪万博会場の“爆発”リスクはやっぱりヤバい…高濃度メタンガス問題に国や府は安全強調も、識者が疑問符

  5. 5

    立憲で急浮上の経済政策「馬淵案」に“一石三鳥”の可能性 トランプ関税めぐる交渉では日本の武器にも

  1. 6

    大阪万博の目玉 344億円の巨大木造リングはほぼフィンランド産…「日本の森林再生のため」の嘘っぱち

  2. 7

    石破政権vsトランプ関税は早くも「負け戦」確定か…交渉前から“お人よし”でカードを1枚失う

  3. 8

    旧統一教会は本当に解散させられるのか…米政権が「待った」をかける?

  4. 9

    「いきなり!ステーキ」倒産危機から一転…黒字転換&株主優待復活でも“不透明感”漂うナゼ

  5. 10

    農相が備蓄米の追加放出表明も「中小の米屋には回って来ない」…廃業ラッシュで地域の安定供給が滞る恐れ

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    石橋貴明のセクハラに芸能界のドンが一喝の過去…フジも「みなさんのおかげです」“保毛尾田保毛男”で一緒に悪ノリ

  2. 2

    清原果耶ついにスランプ脱出なるか? 坂口健太郎と“TBS火10”で再タッグ、「おかえりモネ」以来の共演に期待

  3. 3

    だから桑田真澄さんは伝説的な存在だった。PL学園の野球部員は授業中に寝るはずなのに…

  4. 4

    PL学園で僕が直面した壮絶すぎる「鉄の掟」…部屋では常に正座で笑顔も禁止、身も心も休まらず

  5. 5

    「ニュース7」畠山衣美アナに既婚者"略奪不倫"報道…NHKはなぜ不倫スキャンダルが多いのか

  1. 6

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 7

    フジ火9「人事の人見」は大ブーメラン?地上波単独初主演Travis Japan松田元太の“黒歴史”になる恐れ

  3. 8

    ドジャース大谷 今季中の投手復帰は「幻」の気配…ブルペン調整が遅々として進まない本当の理由

  4. 9

    打撃絶不調・坂本勇人を「魚雷バット」が救う? 恩師の巨人元打撃コーチが重症度、治療法を指摘

  5. 10

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した