著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

セブン&アイHD(下)カナダ大手の買収提案に創業家はどう出るか

公開日: 更新日:

 外国の報道機関はM&Aをどう伝えたか。ブルームバーグ通信(8月20日付)は、〈セブン&アイの創業家一族が買収提案を支持した場合、巨額の利益をもたらす〉と報じた。

〈セブン&アイの年次報告書によれば、創業者の伊藤雅俊氏(故人)の子孫は同社で2番目の大株主。一族の資産管理会社を通じて約8.1%(31億ドル=約4560億円)の株式を所有している〉

 買収が実現すれば、売り手にとっても買い手にとっても大きな転機となる。これまでにも買収の提案はあったが、ボクシングのジャブのような打診にすぎなかった。

〈クシュタール共同創業者で資産家のアラン・ブシャール氏が最初に伊藤氏に買収を持ちかけたのは2005年のことだったという。伊藤氏は、合併を考える前に(両社とも)米国市場での地位を向上させる必要があるとして、買収案を拒否した〉

 創業者の伊藤雅俊氏は23年3月10日、98歳で亡くなった。これで買収の一つの障害が除去されたと考えたのかもしれない。

 創業者の伊藤氏の子孫たちが、買収提案をどう見ているのかは、わからない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動