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小林佳樹金融ジャーナリスト

銀行・証券・保険業界などの金融界を40年近く取材するベテラン記者。政界・官界・民間企業のトライアングルを取材の基盤にしている。神出鬼没が身上で、親密な政治家からは「服部半蔵」と呼ばれている。本人はアカデミックな「マクロ経済」を論じたいのだが、周囲から期待されているのはディープな「裏話」であることに悩んで40年が経過してしまった。アナリスト崩れである。

スパリゾートハワイアンズを米ファンドが買収…フォートレスのTOBはまさに「売り時」だった

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■東日本大震災の復興の象徴

「スパリゾートハワイアンズ」は東日本大震災の復興の象徴でもあった。震災直後には臨時休業を余儀なくされたが、フラガールが全国を公演して回り、復興をアピールした。また経営面では、メインバンクのみずほ銀行から経営陣が派遣され、資金面を含め全面サポートした。

「東日本大震災で建物損壊など甚大な被害を受け、入場者が震災前の年140万人から、37万人へ激減したが、全面再開以降、2013年度は150万人と震災前よりも増えるなど復活を果たした」(みずほ関係者)という。

■300億円の有利子負債も集客は回復

 しかし、新型コロナ禍の影響は大きく、また、1960年代に開業した施設の老朽化が進み、資金繰りに窮した。2024年3月期末の有利子負債は約299億円を抱える。ただ、経済活動の正常化もあり、24年3月期は日帰り客が前期に比べ24%増の93万人、宿泊客も21%増の37万7000人と好調で、今夏の利用者数も想定を上回り、9月9日には25年3月期の連結業績予想を上方修正したばかり。「まさに売り時だった」(みずほ関係者)と言える。

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