2004年に製造業での派遣労働解禁…重要局面ではトヨタがいつも献金額トップだった
■献金トップ10はすべてメーカー
経団連の念願は、製造業への派遣労働の解禁だった。99年の法改定では、派遣労働が原則自由化されたものの、製造業務は認められていなかった。労働者側は、正社員が非正規雇用に置き換わっていくことを懸念した。経営者側には円高で人件費が高騰しており、国外に工場を移す「産業空洞化」が起きるという主張があった。
結局、04年に製造業への派遣労働は解禁された。この年の自民党への献金額もトップはトヨタで6440万円。トップ10は全てメーカーだ。
「企業ファースト」の奥田の考え方が表れているのが、03年1月の内外情勢調査会での講演だ。奥田は消費税を25年時点で16%に上げる試算を披露した上で言う。
「企業が強くならなければ、個人の生活も日本の経済も決して良くはならないわけであります。法人税率を思い切って大幅に引き下げることにより、国内の事業を活性化させる。その果実は、国内の投資家に対しては配当というかたちで、また従業員、消費者に対しては賞与や賃金、雇用というかたちで還元され、それが再び新規の設備投資あるいは消費に振り向けられ、好循環を生み出していくのであります」 (=敬称略、つづく)