著者のコラム一覧
渡辺周Tansa 編集長

日本テレビを経て2000年に朝日新聞入社。17年にワセダクロニクル(現Tansa)を創刊、電通と共同通信の癒着を暴く「買われた記事」で、日本外国特派員協会「報道の自由推進賞」。寄付で運営し非営利独立を貫く。ご支援を! https://tansajp.org/information/10731/

2004年に製造業での派遣労働解禁…重要局面ではトヨタがいつも献金額トップだった

公開日: 更新日:

■献金トップ10はすべてメーカー

 経団連の念願は、製造業への派遣労働の解禁だった。99年の法改定では、派遣労働が原則自由化されたものの、製造業務は認められていなかった。労働者側は、正社員が非正規雇用に置き換わっていくことを懸念した。経営者側には円高で人件費が高騰しており、国外に工場を移す「産業空洞化」が起きるという主張があった。

 結局、04年に製造業への派遣労働は解禁された。この年の自民党への献金額もトップはトヨタで6440万円。トップ10は全てメーカーだ。

「企業ファースト」の奥田の考え方が表れているのが、03年1月の内外情勢調査会での講演だ。奥田は消費税を25年時点で16%に上げる試算を披露した上で言う。

「企業が強くならなければ、個人の生活も日本の経済も決して良くはならないわけであります。法人税率を思い切って大幅に引き下げることにより、国内の事業を活性化させる。その果実は、国内の投資家に対しては配当というかたちで、また従業員、消費者に対しては賞与や賃金、雇用というかたちで還元され、それが再び新規の設備投資あるいは消費に振り向けられ、好循環を生み出していくのであります」 (=敬称略、つづく)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    共産党は“裏金スクープ連発”で自民惨敗させるも議席減…強まる《政党名変えたら?》に党の見解は

  2. 2

    国民民主の躍進予想に水差す醜聞…千葉5区出馬の新人・岡野純子候補に「政治とカネ」疑惑

  3. 3

    連合・芳野会長「共産党と共闘しなくても勝てる」発言の何サマ? 《共産が衆院選のMVP》とツッコミの嵐

  4. 4

    国民民主党ブチ上げ「大型減税策」には大きな罠…石破自民“丸のみ”なら英トラス政権の二の舞に

  5. 5

    「訪問介護」中小の倒産が過去最悪…スタッフ高齢化、大手参入、コスト高が“三重苦”に

  1. 6

    石破首相の逆ギレは説得力ゼロ 「2000万円支給問題」は裏金事件と同じ構図…またも露呈した無反省ぶり

  2. 7

    元安倍派・豊田真由子氏が「羽鳥慎一モーニングショー」で暴露!“パー券販売”の驚愕実態にSNS震撼

  3. 8

    植田日銀総裁が会見で自信たっぷりの真意…12月に追加利上げか? 識者が解説

  4. 9

    安倍元首相の“腹心の友”が白旗…加計学園「千葉科学大」経営行き詰まり公立化要望の無責任会員限定記事

  5. 10

    麻生太郎氏に「10月政界引退説」 派閥の「裏金疑惑」拡大で窮地…気づけば孤立無援

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    橋本環奈は8人も…著名人のマネジャー「辞めた」「クビになった」の過去を振り返る

  2. 2

    大谷翔平は来季副収入100億円ガッポリ、ド軍もホクホク! 悲願の世界一で証明した圧倒的経済効果

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    ソフトバンク 投手陣「夏バテ」でポストシーズンに一抹の不安…元凶はデータ至上主義のフロントか

  5. 5

    日本ハム大砲レイエスの原動力は「7人の子供たち」…二軍でも手を抜くどころか元気いっぱい

  1. 6

    フジテレビ上垣皓太朗アナを先輩アナが「容姿イジリ」→約4カ月後に大炎上のウラ

  2. 7

    甲斐拓也だけじゃない!補強に目の色変えた阿部巨人が狙うソフトバンク「Cランク」右腕の名前

  3. 8

    元「相棒」と明暗クッキリ…反町隆史「オクラ」の不発は“凸凹コンビではない”にあり

  4. 9

    悠仁さまは学習院ではなぜダメだった?大学進学で疲弊する宮内庁職員「もうやめたい」と悲鳴

  5. 10

    小芝風花&森川葵はナゼ外れた? 来秋朝ドラ「ばけばけ」ヒロインを髙石あかりが射止めた舞台裏