金融庁職員らのインサイダー疑惑相次ぎ…監視委はこうして“標的”に狙いをつける
関係者によると、両者はこうした立場を悪用して未公表のTOB情報などをもとに複数回、複数銘柄にわたって株取引を繰り返したり、親族に売買を推奨。数十万円から数百万円の利益を懐に入れていた疑いがあるという。
監視委の目は厳しい。当局筋によると、職員は常に個別株の動向に視線を配る一方、市場関係者から情報を収集。疑わしい取引を検知するシステムからのデータなどを総合的に分析して“標的”に狙いをつける。
そのうえで売買記録などからインサイダー(内部関係者)をあぶり出す。必要とあれば親族や知人らへの強制調査も辞さない。
「TOB発表前の特定のタイミングで売買が続くのは明らかに不自然。普段は売買の少ない銘柄の出来高が急に膨らんだり、株価が高騰したりすれば、まずはインサイダーを疑って調査する」と前出の当局筋。中小型株ほど露見しやすいというわけだ。
インサイダー取引は無論、犯罪(金融商品取引法違反)だ。5年以下の懲役または500万円以下の罰金。併科もあり得る。いかさま賭博で失われるのは「信頼」だけではない。